「ルーメル・モンテッソーリ奨励基金」設立の経緯

 皆さまご存じのように、1960年代に日本の各地においてモンテッソーリ教育のリバイバルが起こり、私たちの日本モンテッソーリ協会(学会)も1968年に発足しました。ルーメル先生はそのとき副会長でしたが、1977年に会長に選ばれて、その後、30年間にわたり日本モンテッソーリ協会(学会)のしっかりとした組織と3千万円という基金を残され、昨年の春(平成23〈2011〉年3月1日)に帰天されました。
 昨年の夏、札幌における「平成22年度定例全国理事会」(平成23〈2011〉年8月5日)の席上、天野珠子理事から、「ルーメル名誉会長の今後の名称について」というご発言があり、またドメニコ・ヴィタリ副会長から、毎年の繰越金・余剰金の有意義な用途ということから「ルーメル賞」とか「ルーメル奨学金」の設立についてのご提言がありました。そして常任理事会でさらに煮詰めることに決まりました。
 それで、昨年暮れ(12月1日付書面で)、ヴィタリ副会長と天野理事と私に「たたき台」作りが命じられ、当時の監事の鈴木成一氏の指導のもとに草案作りをしました。
 今年の第1回常任理事会(平成24〈2012〉年1月21日)において理事の先生方のご意見をいただき、それを基にして、その後、前之園幸一郎会長、鈴木弘美事務局長、甲斐仁子先生、山本雅子監事、また鈴木成一氏は体調不良でやめられたので、長年上智大学財務理事であった新しい監事のフランツ・ヨゼフ・モール先生たちと検討を重ねました。 
 第2回常任理事会の4月28日には、さらに、広島の信望愛学園新理事長でこの道の専門家である原田豊己先生も加わり、「ルーメル・モンテッソーリ奨励基金規定案」が出来上がりました。
日本モンテッソーリ協会(学会)全国大会開催の前日(8月2日)、会場の名古屋サンプラザシーズンズにおいて開催された「平成23年度定例全国理事会」で「ルーメル・モンテッソーリ奨励基金規定案」は審議され、承認されました。引き続き8月5日の総会においても「ルーメル・モンテッソーリ奨励基金規定案」は審議され、大きな拍手をもって満場一致で承認されました。

 ルーメル先生はいつも、モンテッソーリ教育では実践が重要な役割を果たしていると話されていましたので、「ルーメル・モンテッソーリ奨励金」の対象者も、実践家の活躍が期待されます。
 マリア・モンテッソーリは、教育を通して世界に平和を実現しようと生涯努力を続けられました。私たちも、モンテッソーリ教育の普及・発展によって、日本と世界の平和実現に貢献することを誓いたいと思います。